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【東海大・駅伝戦記】箱根に通じる
最終レースで部員同士が火花を散らす (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

 カリウキがフィニッシュしてから1分30秒程度遅れて、日本人のトップの片西景(駒沢大)がトラックに戻ってきた。その10秒後、伊勢翔吾(駒沢大)と湯澤舜(3年)、關颯人(せき はやと/2年)が競り合い、トラックになだれ込んできた。先行する伊勢を湯澤と關は懸命に追うが届かない。スピードを持っているはずの關は強風の中、5kmから15kmまで先頭集団を引っ張り、体力を使ったせいか、もうひとつ伸びがない。

 結局、伊勢を差せずに關は1時間3分12秒で5位、日本人選手では3位。湯澤は關と同着で1時間3分12秒、日本人4位に終わった。

 レース後、歩きながら待機所に戻る。

「悔しいですね」

 關の表情が歪む。

 駅伝シーズンが始まる前からこのレースを重視してきた。全日本駅伝後は疲労を取り、レース5日前にはポイント練習をこなすなど、この日に合わせて調整してきた。全日本の前に關と話をした時、上尾ハーフのタイムは1時間2分台、日本人トップを目標にしていた。どちらも叶わず、余計に悔しさが募ったのだろう。

 レース中、關に何が起こっていたのだろうか。

「スタートが2列目でちょっと出遅れて、留学生の背中についていけなかったんです」 

 關は最初から躓(つまず)いたようだった。しかもレースはスローペースで進んだ。

 外国人留学生2人が先行する中、關は日本人先頭集団の中にいて5km付近から前に出てレースを引っ張った。

「ちょっと遅いペースだったので、自分からペースを作っていこうと思ったんです。でも、風が想像以上に強く、ペースが上がらなくて......。自分の中では10kmを29分30秒ぐらいと設定したんですが、(1kmが)2分56秒ぐらいかかっていて、かなり遅かった。うまく引っ張り切れなかったですね」

 折り返し地点を過ぎた時、關は先頭集団にいたものの、まだ団子状態だった。

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