遅咲きの美女スプリンター市川華菜に「速くなった秘密」を聞いてみた (5ページ目)
それを実現するための課題が、スタートダッシュにあることも自覚している。スタートからうまくスピードに乗るために、7歩目まで顔を絶対に上げないという基本的なことから取り組んでいる。練習ではできても、試合ではまだ3~4歩目で上がってしまうというが、「もともと不器用なタイプなのですぐにはできないと思いますけど、それを地道にやっていくしかない」と力強く語る。
「リレーでも、福島さんがいるうちに世界と勝負しないといけません。誰かがドングリの背比べ状態から抜け出して、女子短距離界のレベルを引き上げなければいけない。ロンドン五輪の前は、『合宿で走れなければ、次は呼ばれない』という雰囲気がありましたが、そんな厳しさが徐々になくなってきているようにも感じます。ピリピリとした空気を取り戻すためにも、200mはもちろん、100mでも11秒3台を出して、そこからさらに上がっていかなければダメだと思います」
29歳で東京五輪を迎えることもあり、福島と共に日本のチームリーダーとしての役割も期待されているだろう。トップアスリートとしての意識が芽生え始めたばかりの市川は、その期待を大きく上回る可能性を秘めている。
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