2017.10.30

遅咲きの美女スプリンター市川華菜に
「速くなった秘密」を聞いてみた

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

 2011年の4月、中京大の3年生だった市川華菜(現ミズノ)は、織田記念の女子100mで日本記録に迫る11秒28(追い風2.6mの参考記録)を叩き出し、一躍脚光を浴びる。その後、2012年には4×100mリレーのメンバーとしてロンドン五輪に出場し、同年9月の日本学生対校選手権(日本インカレ)では女子100m・200m・400mの3種目を制するなど、女王・福島千里に次ぐエースとして期待された。

今年の日本選手権で、短距離2冠を獲得した市川 卒業後は苦しいシーズンが続いたが、今年は100mで6年ぶりに自己タイ記録の11秒43を出し、200mでは5年ぶりに自己記録を更新する23秒39をマーク。さらに、6月の日本選手権で福島を破り、100mと200 mの2冠を獲得するなど”飛躍の年”になった。その要因について、市川は次のように明かした。

「リオオリンピックに出場できなくなったことで逆に吹っ切れた部分があったし、東京五輪に向けて今のままだと何も変わらない気がして……。とにかく、何か新しいことをしなきゃと思ったんです」

 そんな想いで、昨年の11月から実行したのは、母校・岡崎城西高校の陸上部の練習に参加することだった。高校の陸上部の練習は時間こそ短いが、その分集中して走り込む。疲労の蓄積具合を見ながら週2、3回ほど顔を出し、自分とほぼ同等の走力を持つ男子の跳躍選手たちと共に汗を流している。