遅咲きの美女スプリンター市川華菜に「速くなった秘密」を聞いてみた (2ページ目)
「私の高校時代は短距離専門の先生がいなくて、跳躍の先生にずっと見てもらっていたんですが、とにかく楽しいことばかりでした。それでも、走る量は多かったので"武者修行"に行こうと。高校生と練習することで、気持ちもリフレッシュされるような気がしましたし(笑)。
高校での練習は1本1本の間の休憩がすごく短いので、持久的なトレーニングにもなります。それに加え、土曜日には十種競技の中村明彦選手をはじめとした混成競技チームとも練習させてもらいました。午前中は坂道を思い切り走って、午後からはクロスカントリーというメニューを今年の1月くらいまでやって。山道は足首に負担がかかるし、置いていかれると遭難しちゃいそうなので必死でした(笑)。毎日毎日、すべて全力でやったことが、結果につながったんだと思います」
日本選手権で福島(左)を抑えて2冠を達成した市川(中央) photo by YUTAKA/Aflo Sport 結果を出せない苦しい時期、市川は2013年に痛めた腰のケガに悩まされていた。痛み自体は2年ほどでなくなったものの、体の左右の筋力差が大きくなり、練習でも全力で走ることに怖さを感じるようになった。失った走りの感覚をなかなか取り戻せなかった市川は、一昨年から去年にかけて、2人のトレーナーに治療を頼んだという。
「ケガを治してもらいながらトレーニング方法も教わって、体をすべて整えるところまでやってもらったことで『もう怖くない』と思いながら練習ができるようになりました。スピードが戻りそうで戻らないということが続きましたが、練習を繰り返していくうちに、だんだんと感覚のズレが修正されていったんです」
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