東海大の駅伝に大物1年生。今年も「ルーキー旋風」が吹き荒れるのか (5ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun


 上半期は1500mに集中した。5月の東海大長距離記録会で自己ベストを出し、関東インカレでは3分48秒78で走り、5位に入賞した。その後、左大腿部を疲労骨折し、戦列を離れたが、7月下旬のレースで復帰。夏合宿は日本インカレのための調整を兼ねたものになった。将来的にはトラックをメインで走ることを考えているという。

「今は『トラック』と言っていますが、マラソンもやってみたいなって思います。ただ、大学からマラソンをやるのは故障のリスクが大きいですし、難しいかなと思うので大学と実業団の数年はトラックをやり、世界陸上とかオリンピックを目指していきたいです。その挑戦がひと通り終わったら、マラソンにチャレンジしたいなって考えています」

 これからいよいよ駅伝シーズンに入る。昨年多くの1年生が駅伝を走ったからといって、今年の1年生がその椅子を与えてもらえるわけではない。むしろ今年は選手層が厚いので、駅伝のメンバーの椅子を巡って昨年以上の激しいサバイバル競争が起こっている。

 塩澤はメンバーに入る条件をどう考えているのだろうか。

「まず、走力が一番大事ですし、チームからの信頼を得ること。普段の生活で適当なことをしていたり、練習で毎回離れているのに試合の時だけ走るというのではメンバーには入れないので、普段から周囲の目を意識して信頼を得られる行動をとることですね。

 あとは、自分の意志だと思います。東海大は選手層が厚いので、『走りたいな』という気持ちでは絶対に走れない。『自分が走るんだ』っていう強い気持ちを持ちつつ、常に駅伝を走れるラインにい続けることが大事だと思います」

 上半期や夏合宿の活動を見ていると、ほとんど長距離を走っていない。3大駅伝の中ではどの大会を狙っているのだろうか。

「距離が短い出雲と全日本は自分の持ち味を出せると思うので、そこはしっかりと狙っていきたいですね。箱根はここまで1500mをメインでやってきていましたし、夏に30km走など距離をしっかり踏んでいないと難しいと思うので、特に意識はしていません。1年目は箱根にこだわらず、出雲と全日本と自分が走れるところでしっかり結果を出していきたいと思っています。まずは出雲に向けてメンバーを決める日体大記録会()にピークを合わせていきたいですね」
※9月23日に行なわれ、塩澤は5000mを13分57秒03の自己新を記録

 ピーキングは選手にとって大きな課題だ。

 重要な大会に合わせてコンディションを整え、力を発揮できるようにするのは簡単なことではない。塩澤はどのようにピーキングをしているのだろうか。

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