東海大の駅伝に大物1年生。
今年も「ルーキー旋風」が吹き荒れるのか (4ページ目)
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東海大陸上部、期待の新人のひとり、塩澤稀夕 白樺湖3次合宿では日本インカレ出場組(1500m)として館澤亨次(2年)、木村理来(りく/2年)とともに調整していた塩澤稀夕。長身を生かしたダイナミックな走りで、今後の活躍が楽しみな逸材だ。
1500m組の館澤、木村と仲がいいようでポイント練習が終わった夜、低酸素テントが張ってある大部屋に行くと、そのテントの中で木村と一緒に寝転んでリラックスしていた。居心地がよいとのことだが、先輩ふたりから学ぶことも多いようだ。
「館澤さんと木村さんとは関東インカレからずっと一緒で、普段の生活はワイワイ楽しくやれています。練習では引っ張ってくれますし、1回の練習でキレッキレのラストスパートを出しているのがすごい。体も仕上がっていますよね。自分は筋力が弱く、それが故障の原因にもなっていましたし、ふたりを見ていて筋力が必要だなって思って、関東インカレが終わってからウエイトをやり始めました。ハムストリングとお尻を中心にやったんですが、8月の東海大記録会で1500mの自己ベストを3秒更新(3分44秒63)できたので、ウエイトの効果を感じています」
3人を見ているとまるで兄弟のようだが、その様子からは東海大の特徴である学年関係なく言い合える風通しのよい環境が見えてくる。塩澤もそうした雰囲気を感じて入学を決めたという。
「高校(伊賀白鳳)の時は寮生活ではなかったので、寮に入るなら楽しいところがいいなって思っていました。それがここに来る決め手のひとつになりましたね。実際、楽しく生活できていますし、練習以外はリラックスできているので、すごくいいですね。練習は、たとえばポイント練習は高校時代、自分が一番速いので余裕を持ってこなせていたんですけど、大学では練習の質が高く、自分よりも速い先輩ばかりなので、しっかり準備していかないとすぐに離れてしまう。結構いっぱいいっぱいで練習しています」
ポイント練習前には、ルーティンがあるという。練習前日はしっかりとストレッチをして、練習当日はパワーテープを貼ってエナジードリンクを飲む。
「やれることは何でもやって気合いを入れていきます」
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