2017.08.14

サニブラウンも「バトン練習したい」。
リレー銅メダルが繋ぐ東京への夢

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 リオデジャネイロ五輪に続いて、世界陸上でもメダルを手にした男子4×100mリレー。しかし、予選では「メダルに届かないのでは?」と、思われるほど厳しい戦いだった。

リオ五輪から1年で再びメダルを手にした男子4×100mリレー 初日から行なわれた100mと200mを見る限り、リレーに向けて日本の状況は、いい方向を向いていた。100mでは日本勢の3名全員が準決勝に進出する快挙を果たし、存在感を見せた。さらに200mでも飯塚翔太(ミズノ)とサニブラウン・アブデル・ハキーム(東京陸協)の2名が準決勝に進み、サニブラウンに関しては、最年少で決勝の舞台を走った。

 一方、ライバルたちは、100m決勝でジャスティン・ガトリンとクリスチャン・コールマンが1、2位を占めたアメリカは好調だったが、優勝候補のジャマイカはウサイン・ボルトが優勝を逃す3位。世界歴代2位の記録を持つヨハン・ブレークも股関節の不安からか決勝で4位に終わり、200mではまさかの予選敗退で決勝進出者はゼロ。100m予選でもスタートで失敗したセノイジェイ・ギバンスが敗退するなど、かつての圧倒的な強さが影を潜めていた。

 日本チームの計算外と言えば、200m決勝レース終了後に、予選の前から右太股の張りを訴えていたサニブラウンの脚に痛みが出てしまったことだ。日本陸上連盟の苅部俊二短距離部長は、彼の4継起用を、「200mの準決勝終了時点では疲労も見えて五分五分だったけれど、いけるかなと考えていた。あれだけの選手なので、これからエースになってほしいし、使わないのもおかしいのでリレーの本番前にバトン練習をして、いけるようなら使おうと考えていた」と話す。しかし、決勝を終えてからは本人の将来も考えて起用を断念。大きな戦力ダウンは否めなかった。