【月報・青学陸上部】上半期を見た 原監督「今年は厳しい戦いになる」 (3ページ目)
原晋監督不在で、チームを預かる安藤弘敏コーチも「田村がいいね。もっと上げていける」と快走に目を細める。そのまま田村と橋詰が外国人選手についていくのかと思いきや、ラスト1周、8番手から一気にスピードを上げてきたのが下田だった。ラストスパートの力を貯めていたかのか、一気に爆発させたスピードは圧巻だった。田村、橋詰を抜き去り、5位でフィニッシュした。13分53秒45で自己ベストを更新し、ようやく復調したようだ。
「ラストは、まぁまぁでした。4000mぐらいでちょっと崩れたけど、感覚がすごく良かったです。だいぶ状態が戻ってきた感があるんですが、まだ十分に練習を積めていないので、もうちょいですね」
そう言って、下田は笑顔を見せた。走り自体は、関東インカレの時からいい兆しが見えていた。ハーフマラソンに出場し、1時間04分14秒で2位に入賞した。
1月に故障して、3月の後半から走り始めて、5月のインカレの頃には、すでに80%ぐらいの状態に戻ってきていたという。6月の個人学生選手権はエントリーをしていたが出走せず、世田谷でタイムを残せるように調整してきた。そうして、しっかり結果を残したのだ。下田の復調はチームにとって、非常に大きい。
今シーズン、下田自身をはじめ、田村、貞永隆佑(4年)が故障し、4年生が今ひとつの状態が続いていた。原監督から檄が飛ぶこともあった。
「4年生は僕と田村という2枚看板が故障してしまって、中村、吉永も調子が上がらない状態が続いてしまった。それは僕の故障から始まっているんだと思います。僕のところを誰かがカバーしないといけなくなり、負の連鎖が広がってしまったので、これからは自分が結果を出して、その連鎖を断ち切って、いい流れにしていきたい。正直、昨年の4年生は強かったなぁと改めて感じていますし、自分たちはあまりいい状況ではなかったですが、これからしっかりとチームを固めて、夏に向けてやっていきたいと思います」(下田)
3 / 6