勝つために遅く走る日本のマラソン
新戦術「ネガティブスプリット」とは (5ページ目)
現段階で山下コーチが思い描く理想は、2時間24分、25分の選手がたくさん出てきて、激しく競り合うような状況を作り、その選手たちも、練習では2時間20~21分台を狙う取り組みをしてほしいということ。さらに今年8月の世界選手権以降にマラソンに挑戦してくるであろう、トラックのスピードのある選手たちには、いきなり5km16分台のペースで走って2時間20~21分台を狙うような取り組みもしてもらいたいという。
山下コーチが考えるネガティブスプリットのレースは、前半に余裕を生むことで、勝つために、今自分がどんな走りをするべきか、選手自身が考えるキッカケを作る試みでもある。考えることが選手にとって普通になれば、それぞれが自分の武器を考え、それをトコトン磨くことができる。目指すのはそこなのだ。
このネガティブスプリットのレースは、3月の名古屋ウイメンズマラソンでも実施される予定だ。
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