【月報・青学陸上部】「青トレ」考案者が
掲げる箱根3連覇の次の目標 (3ページ目)
「吉永と塁人は疲労骨折ではありません。でも、違和感や張り、痛みを感じて走れなくなった。それはストレスがひとつの要因になっていると思います。彼らは(箱根のメンバーに)選ばれるかどうかの微妙な立場にいて、すごくナーバスになっていた。するとストレスを感じ、痛みにより敏感になってしまうんです。
これはプロのアスリートでもありますし、1年目の神野大地(青学大OB、コニカミノルタ)にもありました。『膝が痛い』と言い出したので、マッサージの先生に触れてもらうのですが、痛みの原因がわからない。そして『痛い』と言いながら、走り終わると痛みは消えている。つまり、メンタルの問題なんです。ただ、今回、吉永と塁人は痛みを素直に伝えてくれた。一番恐かったのは痛いはずがないと勝手に思い込んだ状態で走って、試合中に痛みが出て棄権してしまうこと。そういう意味では彼らが勇気を持ってチームのために症状を伝えてくれたことはよかったと思います」
吉永と鈴木の治療は本番2日前まで続けられたという。だが、最終的に鈴木が出走予定だった1区は梶谷瑠哉が走り、吉永の入っていた8区は下田裕太が入り、勝負を決める快走を見せた。2人の代わりに出た選手が活躍し、青学は3連覇を達成できた。
――安藤悠哉選手がゴールした瞬間は、どういう思いでしたか。
「一番はホッとしましたが、すぐに寂しい気持ちになりましたね。今回の4年生とは1年生の終わりの時に会って3年間、一緒にやってきた。卒業して、もうこの子たちと会えないのかと思うと寂しかったですね。
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