【月報・青学陸上部】「青トレ」考案者が
掲げる箱根3連覇の次の目標 (2ページ目)
中野の取り組みは2016年、出雲駅伝と全日本大学駅伝を続けて制したことで報われた。一昨年は出雲を獲ったが全日本までに疲労が抜け切らず、東洋大に敗れた。その反省を生かして、出雲から全日本までは集中してケアに取り組み、全日本初制覇に結びついた。しかし、残念なことに全日本以降、箱根本番までに主力に故障者が出た。
――「故障者ゼロが目標」を掲げていた中野さんにとって、箱根直前に故障者が出たことは、どう捉えていますか。
「ショックでしたね。私は選手にセルフコンディショニングの意識を高く持つように言い続けてきました。トレーナー業界では今、セルフコンディショニングができている人にプロのトレーナーが携わることで一層パフォーマンスは上がりますが、それができていない人は逆にパフォーマンスを下げてしまうと言われています。
また、疲労の感覚やケアに必要な時間は、個々で差があります。だからこそ、セルフコンディショニングが大切なのですが、1、2年生をはじめ、意識がそこまで高くなく徹底できなかった。その結果、無理をした選手に故障が出てしまった。これは私たちの責任です。これからは1年生の最初の合宿から、その意識を徹底していこうと思っています」
――箱根の登録メンバー16名の中では、吉永竜聖と鈴木塁人が直前に故障してしまい、出走が叶いませんでした。彼ら2人のケガの状況は深刻だったのでしょうか。
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