箱根駅伝・早稲田大のカギは4年生。往路で青学大に食らいつけるか (4ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT(試合)

 10月の出雲で青学大は1区に1年生の鈴木塁人、全日本では下田裕太(3年)を起用して区間5位と8位でスタートしたが、箱根での1区をどう考えるかがひとつのポイントとなる。鈴木は1年生ながら、11月の世田谷246ハーフを1時間02分55秒で2位になっている。1区から飛び出すことを狙わず、2区のエース・一色とセットで考えて、2区終了時点で首位に立ち、準エースの田村和希を使える3区以降でリードを広げる作戦を取ってくる可能性もある。

2017年の箱根駅伝に向けて、現在の調子を語ってくれた早稲田大学の相楽豊監督2017年の箱根駅伝に向けて、現在の調子を語ってくれた早稲田大学の相楽豊監督 そうなった場合、早大に必要なのは1区では確実にリードしてタスキをつなぎ、2区終了時で並ぶくらいに抑えること。その上で3区と4区では食らいつくか、再びリードするような展開に持ち込むことだろう。

 相楽監督は「うちは爆発力のある選手がいないので、2区はつなぎの区間になると思います。でもあのコースは終盤のアップダウンがあるので、実は差がつきにくいコースなんです。留学生を抜きにすれば1時間7分から6分台後半なので、1時間8分を踏んでいけば1分差くらいでしのげる」という。

 ポイントとなる1区には、将来的に1区のスペシャリストに育てたいと考えている1年生の太田もいるが、やはりそこで冒険するのは難しい。そうなれば武田でいくのが順当だろう。

 東洋大は服部弾馬で先手に出るだろうし、ほかにも創価大のムソニ・ムイル(1年/予選会20㎞を58分51秒)の起用もあり得る。その中で確実に上位を狙える武田が力通りの走りで、青学大に少しでも差をつけて2区につなげれば面白い展開に持ち込めそうだ。

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