全日本で光った早稲田大の「全員駅伝」。箱根で打倒・青学大なるか (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Jiji photo

 続く6区では、藤原滋記(3年)が淡々と走って区間3位になったが、3大駅伝デビュー戦となる青学大の森田歩希(2年)が区間賞獲得の走りをして37秒差に詰めてきた。続く7区では太田智樹(1年)が区間3位の走りで青学大との差を49秒差に広げたが、現在学生ナンバー1の力を持つ青学大のアンカー、一色恭志(4年)に動揺を与えるまでには至らなかった。結局8区では、6km手前で一色に首位を奪われ、逆に56秒差をつけられて2位に終わった。

 しかし、4区から7区までは王者・青学大を揺さぶり、前半をオーバーペースで突っ込ませ、終盤に失速させるという走りを見せた。

「これまでは、大体ブレーキから追いかけるのがうちの駅伝だったので、トップを走るという経験は自信になったと思います。前を走ることで、たとえ青学大相手でも単独で気持ちよく逃げさせなければ(いける)、というのがちょっとは見えたかなと。青学大の一色くんとか山梨学院大のドミニク・ニャイロくん(2年)のような"絶対的エース"というところまで、もう少し近づけないと、優勝は近づいてこないと思います。ただ今回は、全員が区間3位以内なら総合で2位、3位争いはできるからと話して3位以内を目標にしていました。実際にこうやって自分たちが優勝できるかどうかというところまで来て負けると、やっぱり悔しさしか残らないので......。ここから新しいスタートだと思ってあと1カ月半を頑張っていきたいと思います」(相楽監督)

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