【月報・青学陸上部】原監督も自信!
駅伝3冠のひとつ目、出雲へ (4ページ目)
世田谷陸上競技場の横にあるスペースで全員が集合し、円を描いた。原監督から自己ベストを達成した選手に「おめでとう」と声がかかる。小野田の時は皆から「すげぇ」「やべぇな」と一際大きな歓声が上がった。方々で冷やかされた小野田はうれしそうにはにかんだ笑みを見せた。
「夏合宿を含めて、これまで継続してきた練習が結果として出てきている。陸上はそういう世界です。みんな、諦めずにやりきってきたからこそ、こういう結果に結びついてきたのかなと思うと非常にうれしく思います。ただ、出雲組はここで終わりじゃないんで、これからもしっかりやっていきましょう」
原監督の言葉につづき、安藤キャプテンが最後を締めた。
キャプテンは練習終わりに必ず締めの一言を言うが、最近その言葉と内容に変化が生じてきた。言葉に力が宿り、内容も「おぉ」と胸に響くものが増えてきたのだ。「安藤は就職活動で苦労して一皮剥けた」と原監督は言ったが、それが影響しているのだろうか。
「そうですね。就職活動ではかなり揉まれました。最初、『余裕』とか思ってナメてかかっていたんです。でも、何回も落ちて、『俺、求められてないなぁ』って相当落ち込みました。もちろん面接では陸上をやっていることを話しています。『すごいね』って言われるんですけど、『じゃ、うちの会社で何をしたいのか』って聞かれると何も言えなかった。
逆に『こんだけやってきたんですけど、どうですか』ってちょっと上から(目線)の感じだったんです。その会社に入って何をしたいのか、目的が明確じゃなかったし、そもそも就職活動のための準備をまったくしていなかったので、落ちるのはまぁ当然と言えばそうなんですけど......」
今年の就職戦線は「売り手市場」と言われ、安藤の友人らは6月には内定をもらい、就職活動を終えていた。しかし、安藤は決められないまま夏季合宿に突入した。
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