【月報・青学陸上部】夏合宿に同行。どんな練習を消化しているのか? (6ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun


 1年の吉田祐也が笑みを浮かべつつ、余裕を見せる。1年生にとっては初めての選抜合宿だが臆するところはまったくない。

 7月の世田谷記録会で原監督に雷を落とされ、現役続行を断念した稲村健太も"新人マネージャー"として初の選抜合宿だった。

「まだまだできないことだらけです」。稲村は、そう言って苦笑した。

「たとえば、食事の時の監督の席を考えたり、出ていないものを出したり、他のマネージャーはすべきことを理解して動いているんですが、自分はまだまだ気を回すことができていないなって思います」

 7月末にマネージャーになって、まだ1ヵ月も経っていない。夏季全体合宿がデビューだったが、マネージャーの仕事で何が一番大変だと感じているのだろうか。

「練習の準備が一番大変ですね。ひとつのパターンでなく、たとえば大雨になったらこのパターンとか、どのパターンになっても対応して選手が円滑に練習できるようにしないといけない。こっちが対応に追われてアタフタしていては、選手の結果をしっかりとまとめられないので、そこは責任重大です。

 まだスタートしたばかりですが、これからはマネージャーとして自分の経験を伝えていきたいです。自分は陸上部に入ってから5回、疲労骨折しているんです。復帰するまでに2、3カ月かかり、でも練習しないと上には追い付けないので完治ではなく、ある程度治ったら走ることを繰り返していました。

 すると故障していない足に負担がかかり、3カ月周期でどこかしら骨折していたんです。みんなに比べ力不足だったのも否めませんが、そういう経験をしてきたので他の選手には自分みたいになって悔しい思いをしないように、この経験を伝えていきたいと思っています」 

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