日本トライアスロン初の金メダルへ。上田藍の「超ポジティブ思考」 (3ページ目)
中学では水泳部、高校では陸上部で練習に明け暮れる日々を送り、その後トライアスロンに出会ってから今年で14年目を迎える上田。代表チームでは、ともに代表に選ばれた29歳の加藤友里恵(ペリエ・グリーンタワー・稲毛インター)、24歳の佐藤優香(トーシンパートナーズ・NTT東日本・NTT西日本・チームケンズ)のけん引役としても期待されている。
「過去2回の五輪出場で感じた、大会に向けて仕上げていく難しさや、メダリストが勝てた理由などを伝えたいですね。2人とは普段からメールのやりとりなどもフランクにしていますし、不安なことがあればすぐに相談してほしいです。
でも、口を出しすぎると自分で考える機会を奪ってしまうことになりますから、基本は行動で示すようにしたいと思っています。常に笑顔でタフな練習を続ける姿を見てもらうことで、2人に刺激を与えられたらいいですね」
チーム力の強化は個人成績を上げるカギにもなる。ひとりでこなす印象が強いトライアスロンだが、位置取りや風よけ、ペース配分など、選手同士でいかに共闘するかも重要な戦略となるからだ。
日本の女子の出場枠は3つ。それを最大限に活用するため、上田は陸上からトライアスロンに転向してまだ4年と日が浅い加藤のコーチのような存在となり、特にバイクの能力向上に努めている。
「加藤選手はレース中に落車に巻き込まれることも多かった。でも、私の後ろにいれば安全だということが分かって、『上田さんがいると安心』とも言ってくれています。どこまで一緒に走るのか、差がついていた場合はどの外国人選手をマークしたらいいかなど、佐藤選手も含めて本番までに細かいところを詰めていきたいです」
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