【箱根駅伝】予選会は順当な結果に。3強を脅かす大学はあったか

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

 スタート時の気温は14度で天候は曇りと、条件に恵まれた第90回箱根駅伝予選会。5年ごとの記念大会で増枠された上に関東学連選抜がなくなり、13校が正月の本戦に出場できる今回は、波乱のない順当な結果となった。

*予選会は各校が12人までエントリーし、上位10人のタイムの合計を競う

●予選会成績と箱根駅伝への出場権を獲得した大学
1位 東京農業大学
2位 山梨学院大学
3位 東海大学
4位 神奈川大学
5位 國學院大学
6位 大東文化大学
7位 専修大学
8位 日本大学
9位 拓殖大学
10位 城西大学
11位 上武大学
12位 中央大学
13位 国士舘大学

箱根駅伝予選会で首位を争うオムワンバ(山梨学院大学、左)とキトニー(日本大学)箱根駅伝予選会で首位を争うオムワンバ(山梨学院大学、左)とキトニー(日本大学) だが、1位通過が東農大というのは、指導する前田直樹監督が真っ先に「予想外ですよ」と言い出すような結果だった。前回、予選会から本戦に進んで優勝した日体大が昨年出した総合記録(各校上位10人の合計タイム)を12秒上回る10時間04分35秒。前田監督は「決まった途端に、前回の日体大と同じだと100人くらいに言われて......。すごいプレッシャーですよ」と苦笑する。この予選会に向けて、完璧な状態ができていたのは2~3人。他はほとんどが故障を抱えていたからだ。

 前回の箱根は、1区15位で滑り出したが、期待を込めて送り出した2年生の竹内竜真と浅岡満憲、1年生の戸田雅稀の2区、3区、4区が区間18位、20位、20位に沈み、まったく勝負できない結果に終わった。そのため今年の夏合宿ではスピードアップを重視し、これまでより設定タイムを上げて練習をさせた。「紙一重」と前田監督は言うように、それで故障が多かったのだ。

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