【箱根駅伝】予選会は順当な結果に。3強を脅かす大学はあったか (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

「その積み重ねで練習量は少し減ったが、内容が上がっている」という中、「練習の疲れが残っていて読めなかった」という戸田が全体10位の59分42秒でゴール。11位(59分43秒)には、12年の本戦5区で大ブレーキを起こして最下位に沈んだ4年の津野浩大が入り、竹内も1時間00分00秒で19位になった。

 そのあとに3年生2名が1時間00分20秒台で続き、3人が出場した4年生の残り2名も、三輪晋太朗が1時間00分28秒、佐藤達也が1時間00分40秒で続いたのが大きかったという。

「故障を抱えていてもこの結果を出せたというのは、選手が強くなっているんでしょうね。チームにはエースがいないぶん、全員が『俺がエースになる』というつもりで走っているからいいんじゃないですか」と、前田監督は語る。

 続いて2位通過を果たしたのが山梨学院大。エースのエノック・オムワンバ(2年)が、前半は抑えた入りながら、ラストで日大のダニエル・ムイバ・キトニー(2年)を3秒突き放し、57分57秒でゴールインした。

「本戦を睨んで1位通過をしたいと思っていたけど、次の井上大仁(3年)が59分25秒
でゴールしたあとのグループが前半を少し抑え過ぎたので......。でも、後半は追い上げたので、走り自体はまずまずだと思います」と語る上田誠仁監督。総合で10時間05分33秒という結果だったが、余裕の表情を見せた。
 
 今年は直前になってもスピードではなくスタミナを追求し、3泊4日の車山(長野県)での合宿ではクロスカントリーを走らせるという新しい方法を試した。

 オムワンバは夏まで故障で練習を控え、9月の全日本学生も欠場した状態。スタミナを心配されたが、ラストでキトニーを突き放して57分台を出したことで、ひと安心の状態だ。また、1万m28分39秒08を持つ日本人エースの井上も、15㎞までは冒険をさせないで集団の中に控えさせ、ラスト5㎞を14分34秒でまとめた上、最後の3㎞では激しく追い上げて全体の5位でゴールする力を見せた。

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