【箱根駅伝】有力校に誤算続出。日体大30年ぶりVの要因は? (3ページ目)
それでも東洋大には復路で逆転する望みはあった。だが、前回は復路で圧倒的な強さを見せた東洋大とはいえ、柏原効果で全員が余裕を持って走れた前回と、そのアドバンテージを奪われた今回は違った。
逆転の口火を切るべき存在だった6区の市川孝徳(4年)は、日体大の別府健至監督が入念に下り要員として育ててきた鈴木悠介(3年)を17秒しか詰められなかった。そして平地に入ると、「抑え目に入って後半上げていく」という走りをして区間上位を確実にする日体大に対し、各選手は焦りで空回りして追い上げられない。酒井俊幸監督が「復路の要」と自信を持って送り込んだはずの前回区間賞獲得の大津顕杜(3年)も区間7位という凡走で終わり、逆転の目は完全になくなった。9区の服部勇馬(1年)は区間3位とまずまずの走りをしたが、結局は2位を維持しただけだった。
一方、駒大は各選手の能力の高さを見せつけて、6区の千葉健太と9区の上野渉、10区の後藤田健介の4年生がキッチリと区間1位の走りをして復路優勝は果たした。だが往路の惨敗をカバーすることはできず、総合3位に食い込むのが精一杯だった。
そんな波乱の大会を制したのが、前回は過去最悪の19位で、9区では初出場以来64回目で、初めてタスキがつながらない繰り上げスタートまで経験した日体大だった。
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