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【箱根駅伝】有力校に誤算続出。日体大30年ぶりVの要因は? (4ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Wataru NINOMIYA/PHOTO KISHIMOTO

 1区を4位でスタートすると、2区の本田匠(3年)は大集団の中をうまく走り、最後にはそこから抜け出して3位で中継。そして3区と4区も、当日変更で4年生から代わった1年の山中秀仁、2年の木村勇貴が堅実に走り、5区のエース・服部の大逆転を呼び込んだ。

 日体大の区間順位を見ると、区間賞獲得は5区の服部だけで、最低は1区と6区の7位。7区以降はすべて区間2位と、まったくミスがない走りを見せた。

 昨年の東洋大は、21秒差で早大に敗れた2011年の悔しさをバネに、全員が集中した走りで優勝を果たした。そして今回の日体大は、昨年の屈辱から3年生の服部を主将に任命する荒療治の中でチームをまとめ、全員がミスなく走って30年ぶりの総合優勝を手にした。学生駅伝とはそういうものであり、何を集中力の糧にするかにより、選手たちが持っている力以上のものを引き出せるか否かが決まる。

 逆にいえば、この結果によって来年は日体大が連覇をするのかというと、それも早計だということだ。「風がなければ1時間18分を切れていた感触はある。来年は柏原さんの区間記録更新を狙いたい」(服部)と、5区に絶対の武器を持つのは確かだが、今年のモチベーションをどこまで維持できるかという課題もある。

 2年生や3年生に力を持つ選手がいる東洋大や駒大、さらに来年はもっと戦力が上がるだろう青学大や、「隙あらば」と狙う明大もいる。

 往路で主導権を握ればあとは波に乗っていけるという箱根駅伝の特性を改めて確認させられた今年のレース。それを目標に、各校のつばぜり合いはますます激化しそうだ。

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