【駅伝】スピードの駒大vs選手層の東洋大。箱根は2強対決へ (3ページ目)
だがラスト2㎞、久我が疲れの出た市川との差を55秒まで縮めたのが大きかった。7区の黒川が東洋大に12秒負けただけの1分7秒差でアンカーにつなぐ。窪田は5㎞14分16秒の入りで追いかけると13㎞手前で服部に追いつき、14.7㎞で逆転。大会新の5時間12分43秒で、駒大に連覇をもたらした。
東洋大の敗因は、各選手がハイペースで突っ込む攻めの走りはできたものの、最後の伸びがもう一つだったことにある。
酒井監督は、「求めているのはあの入りで、ラスト2~3㎞をしっかり走ってくれること。6区の市川はラスト2㎞で25秒やられたし、2区の設楽啓太も区間賞の大迫傑(早大3年)には15秒負け、4区の設楽悠太も区間賞の服部翔大(日体大3年)には27秒負けているから、その辺ですね。2分差があれば、相手が窪田でも、服部は安心して走れただろうし、最低でも1分半の差があれば、と計算していたんです」と苦笑する。だが箱根へ向けては手応えも得たようだ。
駒大と東洋大を追う存在でもある早大は、2区の大迫が区間新の走りで駒大に2秒差まで迫り、6区の前田悠貴(4年)も区間新で意地を見せたが、総合では駒大に2分25秒差の3位。敗因は1区に起用した1年生、柳利幸の区間12位となる失速だった。
渡辺康幸監督は「本当なら前田を1区に使いたかったが、志方文典(3年)が使えない時点でこのオーダーを考えた。柳は1区のテストの意味もあったし課題も残ったが、5区の高田康暉も含めて1年生を2人使えたから」と語った。
4位には4区の服部以降が納得の走りをした日体大が食い込み、5位は大きなブレーキがなかった明大が入った。力通りの結果だろう。だが箱根をにらめば、上位10人の1万mの平均タイムが28分30秒を切るスピードの駒大と、層の厚さとしぶとさのある東洋大の2強の争いという構図が浮かび上がってきた。
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