【駅伝】スピードの駒大vs選手層の東洋大。箱根は2強対決へ
2年連続10回目の優勝を飾った駒大のアンカー、窪田忍「ここまで条件がよくなると、やっぱり横綱が強いですよ。うちみたいな前頭は、もう少し荒れてくれないと......」
こう語るのは強風の出雲駅伝で3位になった中大の浦田春夫監督だ。晴天で追い風基調の好コンディションとなった11月4日の全日本大学駅伝は、序盤から層の厚さを誇る東洋大と駒大の優勝争いに興味が絞られた。
先手をとったのは東洋大だった。スローペースで始まった1区で、前回の箱根4区区間1位の田口雅也(2年)が、7㎞過ぎのジョン・カリウキ(第一工大1年)の飛び出しに対しても、駒大の撹上宏光(4年)などとともに冷静に対応。6チームの並走になった後の11㎞過ぎには鮮やかなスパートで抜け出して、2位の山梨学大には6秒差、6位駒大には17秒差を付けて、エース区間の2区につないだ。
2区の設楽啓太(3年)は、最初の1㎞を2分57秒、3㎞を8分15秒で突っ込む走りを見せる。3.1㎞で山梨学大のエース、エノック・オムワンバ(1年)に追いつかれ、6㎞過ぎには突き放されたが、ライバルの駒大はキッチリ突き放し、41秒差にして優位に立った。
出雲駅伝の連覇を逃してこの全日本では初優勝を狙った東洋大だが、酒井俊幸監督の選手起用は余裕も持ったものだった。つなぎの3区と7区には駅伝初出場の延藤潤(3年)と佐久間建(3年)を使った。さらに最長19.7㎞のアンカーには、前回の箱根8区区間賞、出雲駅伝ではアンカーを走った大津顕杜(3年)ではなく、1年生で出雲3区区間2位の服部勇馬を起用したのだ。
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