2012.07.07

【ハンマー投げ】進化し続ける室伏広冶。37歳でも80mを投げられる秘密

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 築田 純/アフロスポーツ●写真 photo by Tsukida Jun/AFLO SPORTS

2012年の日本選手権で驚異の18連覇を達成した室伏広冶 雨の中で行なわれた試合のため、記録を狙わずに無難な投てきながらも18連覇を達成した6月の日本選手権。72m85と低調な記録からのシーズンインになったが、室伏は「勝負は五輪だから」と、落ち着いた表情を見せた。練習の仕上がり具合は世界選手権(8月)で優勝した昨年の同時期と同じくらい。条件がよければ77~78mは投げられる状態だった。

 彼がそこまでの余裕を持つ大きな理由は、「前回の北京五輪の時よりスタッフも充実しているので、練習後の体の回復なども早くなっている。その意味では安心している」と言うように、今取り組んでいる練習の方向性と環境に絶対の自信を持っているからだ。

 室伏がコンディショニングコーチのトーレ・グスタフソン氏や理学療法士のロバート・オオハシ氏などと新たな取り組みを始めたのは09年のこと。

 04年アテネ五輪で金メダルを獲得した室伏は、05年に脇腹を痛めて世界選手権を欠場した。そのときに、長年の競技生活で同じ動きばかりをしてきたことで、自分の体が勤続疲労のような状態になっていることに気付いた。そこで選手のコンディショニングなどを手掛けていたグスタフソンコーチに師事し、体に過度の負担をかけない練習法を模索するとともに、自分のハンマー投げの理論の確立を意識し始めた。

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