2020.08.22

パラバドミントンの若き世界女王。
里見紗李奈「応援は本当に力になる」

  • 荒木美晴●取材・文・写真 text&photo by Araki Miharu

「TBS上村彩子アナが取材で見た里見選手」はこちら>>

 来年の東京パラリンピック開幕まで、8月24日でちょうど一年になる。東京大会から採用されるパラバドミントンでシングルスとダブルスの"W金メダル獲得"を期待されているのが、里見紗李奈(NTT都市開発)だ。

 18歳で交通事故に遭い、車いす生活になった里見は、2017年にパラバドミントンを始め、それからわずか3年で世界選手権を制するまでに成長した。「こんな人生、想像していなかった」と笑う里見にこれまでの競技人生を振り返ってもらい、今のステージへと導 いてくれた大切な人たちとのエピソードを聞いた。

昨年の世界選手権でシングルス決勝を制した里見紗李奈選手 里見が事故に遭ったのは、高校3年だった2016年5月。脊髄に損傷を負い、両下肢に障害が残った。その日から今日に至るまで、彼女の心身を常にそばで支えているのが両親だ。

「後で聞いた話ですが、母は事故の一報を聞いてその場に座り込んじゃうくらいショックを受けたらしいです。それでも、毎日病院に顔を見せに来てくれて、痺れる脚を私が寝るまでさすってくれたり、食べたいものを買ってきてくれたり。毎日顔を合わせるのでちょっと喧嘩することもありましたが、甘えさせてくれたから9カ月間の入院生活を乗り越えられたんだと思います」

 父・敦さんもすぐに行動に移していた。娘の退院後を考え、自宅を大幅にリフォーム。扉はすべて引き戸に変え、車いすで移動できる昇降機を設置したり、浴室では床に降りずに湯船に浸かれるよう特注の椅子を用意したりした。「当時、実は父がリフォームを進めてくれていることを知らなくて。実際に見てみると、病院の先生が『すごい』というほどよく考えられていて、自宅でストレスなく生活できることがすごくうれしかったです」