退路を断って成長。パラテコンドー・伊藤力が東京パラ初代王者を狙う (4ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • photo by Murakami Shogo

 彼らの視線の先にあるのが、東京パラリンピックだ。競技レベルが向上するなか結果を残すのは容易なことではないが、「目標は金メダル。それで日本での競技の認知度を底上げしたい」と、伊藤の信念は揺らがない。

 その東京パラリンピックでは、「K44」と「K43」クラスが統合された1クラスのみ実施され、体重別に男女とも3階級ずつ、計6個の金メダルをかけて争われる。出場するには各大陸予選や開催国枠といったチャンスがあるが、世界ランクでストレートインし、確実に出場権を手にしたいというのが本音だ。

 現在は世界ランキング10位(2018年11月現在)で、「これを常に4位以内にいるようにしたい」と話す。

 まずはポイント配分が高い、来年2月の世界選手権(トルコ)で勝利し、上位へのランクアップを目指す。

「最近、すごくいい感じで稽古ができている」と、自信を覗かせる伊藤。心身にさらなる磨きをかけ、東京パラリンピックまで突っ走るつもりだ。

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