ガールズケイリン専念で梅川風子が目指す次なる目標 現実を受け入れられなかったパリ五輪落選 (3ページ目)
梅川の潜在能力は早い段階から関係者の目に留まっていた photo by Gunki Hiroshiこの記事に関連する写真を見る
【五輪代表選考で味わった悔しさ】
国際大会デビュー戦となった2021年のネーションズカップ第2戦(香港)女子スプリントでいきなり銅メダルを獲得。その後もネーションズカップやアジア選手権トラックでメダル獲得を果たした。ガールズケイリンへの出走機会は減ったが、ナショナルチームの一員として、日々、多くのスタッフに囲まれながら強化を続けた。世界を舞台に戦う日々は刺激的であり、世界のレベルの高さを痛感するたびに、成長への意欲が高まった。
ナショナルチーム在籍時の梅川が最終目標としていたのは2024年パリ五輪でのメダル獲得だった。国際大会の成績によって国ごとに出場枠が割り振られ、最終的に日本の女子短距離に与えられた出場枠は2。それをナショナルチーム内で争った結果、梅川は代表選出されず、リザーブに回ることになってしまった。パリへは帯同したものの、走ることなく帰国の途についている。
「パリ五輪の代表選考期間が明確に示され、その間の大会で自分が結果を残せなかったことは理解していました。でも最後まで代表入りは諦めず、直前までアピールし続けました。パリに行ってからも調子がよく、自分を出してほしいという気持ちで準備をしていたんです。なので、現実を受け入れるには時間がかかりました」
その悔しさを10月に行なわれた世界選手権トラック女子ケイリンにぶつけ、5位という結果を残した。「オリンピックで終わりにしようと思っていましたが、最後にこの世界選手権で自分をぶつけようと。それができたのはよかったです」と、ここでナショナルチームからの引退を決意する。本人の言葉を借りれば、「命を削るような毎日」に終止符を打ったのである。
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