検索

ガールズケイリン専念で梅川風子が目指す次なる目標 現実を受け入れられなかったパリ五輪落選

  • 加藤康博●文 text by Kato Yasuhiro

ガールズケイリンで圧倒的な実力を発揮している梅川風子 photo by Gunki Hiroshiガールズケイリンで圧倒的な実力を発揮している梅川風子 photo by Gunki Hiroshiこの記事に関連する写真を見る

【ガールズケイリンへ専念】

 自転車競技トラック短距離でナショナルチームメンバーだった梅川風子(東京・112期)が昨年11月に代表活動から引退。自転車競技とガールズケイリンの二足のわらじを履きながら、世界で戦う生活から、国内でガールズケイリンに専念することになった。

「最初、戸惑いはすごくありました。急に戻った感じがあって、気持ち的に切り替わっていなかったんです。ただ年が明けたことで心機一転し、今は集中できています」

 12月の開催で落車した際に負ったケガの影響で年末年始は欠場したが、復帰後は順調に勝利を重ねている。世界を相手に戦ってきた脚力は本物。2025年のガールズケイリン、主役候補のひとりといっていいだろう。

「これからも競技のときと変わらず脚力を高め、勝負にこだわって挑戦していきます。そして自分自身がそうだったように他のスポーツをやっていたアスリートにとって、ガールズケイリンの舞台がセカンドキャリアとして魅力的なものであることもアピールしたいですね」

 世界を見据えた戦いから、国内の強者を相手にするステージへ。しかし自身を見つめ、己を高めることに変わりはない。まっすぐな視線で勝負へと向かっている。

【再び「非常に残酷」な世界へ】

 梅川は自転車競技出身ではなく、かつてはスピードスケートで活躍した選手だ。山梨学院大在学中には全日本学生選手権500mで優勝した経験を持ち、卒業後もワールドカップやオリンピック出場を目指していた。24歳でそこから引退するにあたって、選んだ次の道がガールズケイリンだった。

「ガールズケイリンのことは大学にいる間から知っていて、情報は集めていました。トレーニングでロードバイクにも乗っていましたし、これまでやってきたトレーニングをフルに生かせる場として、競輪選手を選びました。決めてから1週間後には今もホームバンクにしている京王閣で走っていました」

1 / 4

フォトギャラリーを見る

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る