検索

藤澤五月が「悔しさを忘れないように...」初めてきちんと見た五輪のカーリング (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro

 でも、ソチ五輪はトライアルに参加して負けて、勝った北海道銀行フォルティウスさんは世界最終予選も突破して五輪のアイスに立っている。その日本代表チームの戦いを「ちゃんと見なきゃダメだ」と決めていました。

 正直、まだ悔しさはあったと思います。ですが、その悔しさを忘れないように、受け止めることができるように、そんなふうに考えていました。

 結果、日本代表は過去最高の5位入賞を果たします。帰国後には日本選手権が予定されていたので、五輪5位のチームに挑戦して勝つこと。それが、そのシーズンの大きなモチベーションとなりました。

 ちなみに、ソチ五輪で優勝、それも全勝で金メダルを獲得したのは、私の憧れの選手でもあるジェニファー・ジョーンズさん率いるカナダ代表でした。

 その技術や戦術はもちろん、氷上の振る舞いも超一流でした。ある試合でセカンドの選手にミスが出てしまったのですが、ジョーンズさんは「私の(指示した)幅が悪かったね」と声をかけ、チームメイトを一切責めなかったのです。

 チームのすべてをスキップが受け入れる――そんな姿勢について「カッコいいね」「スキップのあるべき姿だね」と母と会話を交わした記憶があります。

 憧れの選手というだけではなく、「こんなスキップになりたい!」とスキップの理想像のようなものをジョーンズさんに重ねたのは、ソチ五輪の時が最初でした。

photo by Fujimaki Gohphoto by Fujimaki Gohこの記事に関連する写真を見る藤澤五月(ふじさわ・さつき)
1991年5月24日生まれ。北海道北見市出身。高校卒業後、中部電力入り。日本選手権4連覇(2011年~2014年)を果たすも、ソチ五輪出場は叶わなかった。2015年、ロコ・ソラーレに加入。2016年世界選手権で準優勝。2018年平昌五輪で銅メダル、2022年北京五輪で銀メダルを獲得した。趣味はゴルフ。

フォトギャラリーを見る

2 / 2

キーワード

このページのトップに戻る