藤澤五月が余裕を失っていた12年前の日本代表決定戦 今なお脳裏に浮かぶ光景とは...
連載『藤澤五月のスキップライフ』
14投目:ソチ五輪への道を絶たれた代表決定戦
ロコ・ソラーレ藤澤五月の半生、"思考"に迫る連載『スキップライフ』が再スタート。今回は、2013年のソチ五輪世界最終予選日本代表決定戦での激闘を振り返る――。
2013年の日本代表決定戦に挑んだ4チームのスキップ。左から北海道銀行フォルティウスの小笠原歩、中部電力の藤澤五月、札幌国際大学の吉村紗也香、LS北見の本橋麻里 photo by Takeda Soichiroこの記事に関連する写真を見る【余裕を失っていた自分に、レジェンドふたりの歓喜で気づいた】
2013年9月、ソチ五輪世界最終予選日本代表決定戦が札幌市のどうぎんカーリングスタジアムで行なわれました。
女子は、ちな(吉田知那美)や佳歩ちゃん(小野寺/現フォルティウス)が所属していた北海道銀行フォルティウス(当時)、紗也香ちゃん(吉村/現フォルティウス)がスキップの札幌国際大学、(本橋)麻里ちゃんや(鈴木)夕湖、(吉田)夕梨花がいたLS北見、そして私たち中部電力の4チームが出場していました。
予選のダブルラウンドロビン(2回ずつ総当たりするリーグ戦)を終えて、私たちは3勝3敗の同率2位。同じ成績のLS北見とタイブレークを戦って勝利し、北海道銀行フォルティウスとの決勝に挑みました。
とはいえ、各試合について鮮明な記憶があるわけではありません。変なことだけは覚えているもので、大会中にカーリングホールの屋根から水が漏れて試合が中断したことはなぜか記憶に残っています。
時間が経ってから当時の記事を読んだのですが、中部電力は日本選手権3連覇中で、その年の2月には同じ会場で行なわれた日本選手権でも優勝していました。この代表決定戦も本命視されていたことを「そうだったなぁ......」と、ぼんやり思い出したくらい。
「勝つことだけを考えすぎて、目の前の一投に集中できない部分があった」という自らのコメントも目にしましたが、それを読んでもどこかピンとこない部分がありました。
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