自転車競技を引退しガールズケイリン専念へ 梅川風子は「命を削って走った」経験を糧にGⅠ開催「競輪祭」連覇を狙う (2ページ目)
自転車競技からの引退を決断した梅川風子。今後、ガールズケイリン一本で戦っていくこの記事に関連する写真を見る
【「死に向かって」走った世界選手権の舞台】
梅川の自転車競技生活の集大成とも言える舞台となった世界選手権では、世界トップレベルの争いのなかで、見事に決勝まで勝ち進んだことが自らの成長と課題を同時に感じるかつてない大きな経験値となったと明かす。
「決勝に辿り着くまで、1日でかなりの数のレースを走りますが、ひとつも取りこぼせない、ギリギリすぎる戦いのなかで、自分の成長を感じられました。終わってみてもまだヒリヒリ感が残っているくらいで、本当に最高峰の戦いでした。正直に言えばメダルが欲しかったですが、そこまでの脚(力)がなかった。あそこでひと踏ん張りできるかが、メダルを獲れる人とそうでない人の違いなんだと痛感しましたね」
着順によっては即敗退、しかし勝ち上がればさらにハイレベルなメンバーでの戦いとなる。常に限界以上のパフォーマンスを求められる環境下での戦いでしか味わえない過酷さを、梅川は次のように表現した。
「命がなくなっていくというか、もう『死に向かっているんじゃないかな』というくらいの気持ちでした。今振り返ってみるとあれは充実感とも言えるものだったのかも知れませんし、決してそれが楽しいとは思えないんですが、勝負の世界でそれを感じられるのは幸せなのかなと思うようにしています」
そんな経験を武器に、これからはガールズケイリンを盛り上げていく立場となる梅川。早速の大舞台となる競輪祭を目前に控え、また違ったヒリヒリ感を味わえる舞台だという。
「競輪祭はGⅠになってからは2回目ですが、大会としては長い歴史があって、かなり独特な雰囲気があるので簡単に言うとすごくやりづらいですね。その場でグランプリ(出場権争い)から落ちる人がいれば、その場で、逆転でグランプリが決まる人も出る。それが勝負の世界だなと思うし、グランプリ当落線上の人の気持ちもわかるので、狙いが複雑に絡み合う大勝負になると思います」
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