カーリング女子日本代表・上野結生が振り返る初めての世界選手権「すごく温かいスポーツ」 (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro

――世界選手権では、日本選手権、さらにはミックスダブルス選手権でも優勝し、常に笑顔だった姉の美優選手の表情が、曇っている試合がいくつか見受けられました。

「ショットが決まらないのが一番苦しかったと思いますが、私たちが難しいショットを残してしまっていました。スイープ面でも戦術面でも、(フォースの)姉にどういうショットを残すべきか、もうちょっとみんなで考えてやっていきたいです。そういう意味は、自分の力が足りてないのは感じました」

――厳しい世界初挑戦となりましたが、それでもチームとして、個人として、いい経験になったのではないでしょうか。

「勝てなくて苦戦しながらですが、後半は自分たちのやりたいことが少しずつできるようになっていって、楽しいエンドもありました。あと、負けていてもカナダの観客は大きな拍手や声援で送り出してくれる、あの雰囲気のなかでプレーできたことは、いい経験でした。カーリングって、すごく温かいスポーツだなっていうのは感じました」

――パンコンチネンタル選手権を経て、12月には軽井沢国際カーリングを戦い、そして年明けには横浜でディフェンディングチャンピオンとして迎える日本選手権に臨みます。

「(横浜開催の日本選手権は)アイスが未知で、どうなるかっていうのがつかめていなくて。理想は曲がるアイスなんですが、どういうアイスでも戦える準備をしていきます。前回大会では優勝できましたが、チャンピオンという気持ちではなく、またイチからチームでやることをしっかりこなして、一歩ずつ優勝に近づいていけたら......そう思っています」

(おわり)

SC軽井沢クラブの上野結生(右)と姉の美優(左) photo by Fujimaki GohSC軽井沢クラブの上野結生(右)と姉の美優(左) photo by Fujimaki Gohこの記事に関連する写真を見る上野結生(うえの・ゆい)
2002年12月17日生まれ。長野県軽井沢町出身。SC軽井沢クラブ所属。8歳でカーリングを始め、器用で安定したショットを武器にジュニア時代からフロントエンドの選手として頭角を現わす。2022年から3年連続で世界ジュニア選手権ファイナルの舞台に立つなど、輝かしい実績も残している。2024年に日本選手権で初優勝を果たし、世界選手権のアイスでも好ショットを重ねた。長野大学環境ツーリズム学部4年生。趣味は編み物。

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