カーリング女子日本代表・上野結生が振り返る初めての世界選手権「すごく温かいスポーツ」 (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro

――チーム一丸となって勝ち抜いた日本選手権のあと、日本代表として初めて世界選手権に挑戦。結果は、3勝9敗で11位という悔しい成績に終わりました。

「世界選手権では(大会序盤から)なかなかいい入りができず、チーム全体で戸惑ってしまったというか。日本選手権に比べて、自分たちの持っているものが出せない、というもどかしさを常に抱えていました。初出場で、どのように戦っていくかという準備が不足していて、それが目立ってしまいました」

――具体的にはどういった点で準備が足りなかったのでしょうか。

「アリーナアイスへの対応だったり、強いチームとの戦い方であったり、相手チームの情報収集も足りていなかったと思います」

――リードで11試合、セカンドで1試合、全試合に出場してショット率も一定の数字を残した結生選手。フロントエンドとしてのご自身のパフォーマンスはいかがでしたか。

「癖と変化の大きいアイスで、曲がりもウェイトも気を遣うのは難しかったですけど、リードというアイスの情報をチームに伝えるポジションでしたから、自分が決まらなくても(チームメイトのショットの)サポートをすべきだったのですが......。自分のことでいっぱいいっぱいになってしまって。そこは反省点です」

――苦しい戦いの連続だった思いますが、収穫もあったのではないでしょうか。

「すごく悔しい結果でしたが、(予選リーグ)最終戦のイタリアとの試合(8●10)では最後まで競ることができたりと、まったく歯が立たなかったというわけではなかったので、そこでの経験を生かして来年、もう1回出場して、今度はメダル獲得を目指したいなと思っています」

――たとえば、そのイタリア代表で気になった選手や、参考になるプレーなどはありましたか。

「イタリアの(ステファニア・)コンスタンティーニ選手は年齢も近いこともあり、注目していました。ショット率も高いですし、崩れない安定感がありました。投げる前にしっかり時間を使って、自分のペースやリズムを作っているところは、すごいなと感じました」

――イタリア代表は4位でしたが、そういった世界のトップチームと戦うなかで、自分たちに足りない部分はどういったところでしょうか。

「やはりショットの安定性が、世界で戦うにはまだまだ欠けていて。レベルの高い相手でも、アイスを読むのが難しくても、どんな環境でも毎試合、変わらずにプレーできるのが、トップチームであり、勝てるチームだと思います。私たちはまず、安定性を強化していかなきゃいけない、と感じています」

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