「こいつ、やばい」ビーチでポテチ、朝までクラブで飲酒...ぽっちゃり留学生だったダンシーあずさはなぜトレーニングに目覚めたのか (3ページ目)
【ビキニフィットネスは「かなり特殊な競技」】
ーーそれがいまや"ビキニ女王"。
2017年8月の初コンテスト(第52回東京ボディビル選手権大会)で、3位くらいになれると思っていたのに12位。そこから1カ月間、自分なりに絞って臨んだ「オールジャパン」でも4位と結果が出なかった。
その時に初めて自分がすごく負けず嫌いなんだと知りました。どうせやるなら本気でやりたい。来年は絶対に勝つぞという気持ちで、ビキニフィットネスにのめりこんでいきました。
2023年の「オールジャパン フィットネス チャンピオンシップス」 写真/本人提供この記事に関連する写真を見る
ーートレーニング内容も変えましたか?
それまで前腕や上腕のトレーニングや、シックスパックにするために腹筋もめちゃくちゃ負荷をかけて厚みを出そうとしていました。でも、ビキニフィットネスに腕の筋肉はいらないし、ウエストは細いことが大前提です。
全部を大きくするんじゃなくて、粘土細工をつくるように筋肉を足したい部分はトレーニングして、削りたい部分はトレーニングをやめる、いわゆる「足し算・引き算のボディメイク」を意識するようになりました。
ーービキニフィットネスという競技の難しさはどこにあるのでしょうか?
やみくもにしぼってもげっそりしてしまう。だから、はつらつとしていて女性らしい丸みを残しながらしっかりしぼって、シェイプが強い体をつくるのがすごく難しいですね。
歴史の長いボディビルと違って、ビキニは前年に優勝した選手の体が次の年の審査基準になったり、体のトレンドが変わる。まだはっきりとした正解がないからこそ、トレンドに合わせなくちゃいけない難しさはあると思います。
ーー審査競技の難しさですね。
並んだ時の印象、ステージのライティング、審査員との距離、ステージの長さや角度でも体の見え方が変わります。
会場が明るいならより肌を黒くしたり、審査員が近いならアウトラインやシルエットよりも質感がよく見えるように絞り気味に仕上げたり、逆に距離があると細かい皮膚感が見えないから、アウトライン、メリハリ、枠組みを意識したシルエットを見せることにフォーカスして直前の炭水化物の量を調整したり。大会当日の環境によって臨機応変に対応しなくちゃいけないのが、かなり特殊な競技ですね。
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