ダンシーあずさ、離婚→心身の不調→4年連続2位で涙「ステージ上の自分が楽しそうじゃなかった」
ビキニフィットネス・ダンシーあずさ インタビュー後編(全3回)
ビキニフィットネスの世界で活躍するダンシーあずささんだが、高い壁として君臨するのが「オールジャパン フィットネス チャンピオンシップス」(JBBF主催)163センチ超級8連覇を達成している安井友梨だ。ダンシーは、163センチ以下級のカテゴリーでこそ5連覇しているが、無差別級の「JBBFフィットネス ジャパン グランド チャンピオンシップス」では、4大会連続で安井に敗れての2位に終わっている。そんなダンシーが、挑戦と葛藤の日々を語る。
日本のビキニフィットネスシーンを牽引するダンシーあずささんこの記事に関連する写真を見る
* * *
【女王には競っているようでは勝てない】
ーー安井友梨さんとはどのような存在なのでしょうか?
ダンシーあずさ(以下同) 「オールジャパン」で勝っても、「グラチャン(グランド チャンピオンシップス)」で安井さんに負けてサブチャンピオンになること4回。なかなか越えられない高い壁ではあるのは間違いないですね。
でも、それが自分のなかでモチベーションになっている部分でもあるんですよ。2位だからこそ守りに入らずに向上心を保っていられる。トレーニングや減量で心が折れそうになった時は、安井さんはこれだけやっているんだから、と思うようにしてます。
ーー昨年の「グラチャン」後には、表彰式では涙も見られました。
1点差でしたらかね。客観的に見て負けてなかったと感じていたので本当に悔しかったです。でも、安井さんは「チャンピオン」のイメージで審査員も見るから、競っているようじゃ勝てない。ひと目見て、「ダンシーあずさのほうが上」と思われるくらい圧倒しないといけなかった。前回は、そこまでの体をつくれなかっただけだと思うので、受け入れてまた頑張ればいいだけです。ただ、今年は安井さんを倒すことに、そこまでこだわっているわけではないんですよ。
ーーなぜですか?
勝負にこだわってしまうとステージ上の自分が全然楽しそうじゃないんです。実際に、昨年は「オールジャパン」と比べると、「グラチャン」はあんまり楽しそうじゃない、イキイキしてない自分がいました。
ステージで楽しめなかったら意味がないので今年は意識せずに、去年の自分を超えることだけにフォーカスしたいと思います。楽しんで仕上げた自分の体をステージで輝かせられて、それが結果的に評価される......そっちのほうが私には合ってるんです。
2023年の「オールジャパン フィットネス チャンピオンシップス」で階級5連覇 写真/本人提供この記事に関連する写真を見る
1 / 3
著者プロフィール
武松佑季 (たけまつ・ゆうき)
雑誌ライター。1985年、神奈川県秦野市生まれ。編集プロダクションを経てフリーランスに。インタビュー記事を中心に各メディアに寄稿。東京ヤクルトファン。サウナー見習い。