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フォルティウス・近江谷杏菜と小野寺佳歩が語る、日本カーリング界の成長「あなたは投げる人ですか?」なんて聞かれた (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text by Takeda Soichiro

――フォルティウスの話も聞かせてください。今季は変化が多く、何から聞けばいいのか、という状況にありますが、まずは船山弓枝コーチについて。専任コーチとなった経緯などを教えてください。2021年にメインスポンサーである北海道銀行との契約が終了し、フォルティウスとして新たなスタートをきった時から、どちらかといえば、チームをサポートする役割を担っていた印象があります。

近江谷 あの時から......というか、弓枝ちゃんはずっと「チームを存続させたい。強くさせたい」と強く思ってくれていて。

小野寺 家庭もあって、忙しいなかでも動いてくれているので、本当にその気持ちの強さが伝わってきます。

近江谷 そういった状況のなかで、弓枝ちゃんは「新しい選手が入ってくれたら退くよ」という話もしていて、(小林)未奈ちゃん、そして(小谷)優奈ちゃんという選手を新たに迎えることができたので、弓枝ちゃんがチームをサポートする役割に回ってくれた、という感じです。

――一方で、これまで師事していたコナー・ネゴヴァンコーチが、カーリング・カナダのルールで選手登録をしながらのコーチがNGになってしまった、ということがありました。

近江谷 そうなんです。でも、ふだんの練習を見てくれる人がどうしても必要で、弓枝ちゃんが「私が見るよ~」と言ってくれて。

小野寺 私たちの投げる石を誰よりも見てきた人ですから、すごい安心感があります。選手に寄り添ってくれるコーチですね。

近江谷 選手それぞれに対して、どう接したらいいか、すごく考えて話をしてくれるので、とても落ちつきます。

小野寺 技術的なことに関しても「こうしたら?」と、提案するような話し方をしてくれるので、受け入れやすいですね。

――また、今季からは北海道大学の山本雅人教授をデータアナリストとしてチームに迎えています。そこから導き出されたデータやAIの活用も、船山コーチがされていくのでしょうか。

近江谷 カーリングにおいて、AIがどこまで運用できるかはまだ試行錯誤の段階ですが、今は弓枝ちゃんが数字とチームの(間の)クッションになってくれているというか。(あらゆるデータも)弓枝ちゃんを一度通すことで、チームとしてクリアになるのはありがたいですね。

小野寺 さまざまなデータやスタッツのなかから重要なものをピックアップして、(それをどう活用するか)私たちと一緒に考えてくれる感じです。

――他のチームメイトについても教えてください。最年少の小林選手はおふたりから見てどういったキャラクターなのでしょうか。

近江谷 誰とでも上手にコミュニケーションを取れる人で、どこに行っても知り合いがいる(笑)。

小野寺 確かに、コミュニケーション能力は高いですね。あと、人の名前をすぐに覚えることができるし、アイスの上からでも「あっ、何々ちゃんのお母さんが見に来てくれている」とか、人を発見するスピードが速い。

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