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「負けられる強さ」を得たカーリング女子日本代表。新設大会を制して、またひとつ階段を上がった (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●文 text by Takeda Soichiro
  • photo by (C)JCA

 結果的に韓国と対戦した決勝では、アイス、石の情報がそろっていた状態で迎えることができ、終始有利な局面を作り続けた。終盤、極端に重くなるアイスに戸惑って追い上げられる場面もあったが、延長戦の末に8-6で勝利した。

 10エンドで相手に1点を与えてもやむを得ないと冷静に判断したこと。続くエキストラエンドでは、ミスが出ながらも浮き足立たずにシンプルなショットを選択し、クリーンな展開をファイナルの大舞台で作れたこと。そのうえで、勝ちきったこと。これらは、かなり大きな収穫となった。

パンコンチネンタル選手権を制したカーリング女子日本代表パンコンチネンタル選手権を制したカーリング女子日本代表この記事に関連する写真を見る 大会後のオンライン会見で、藤澤は「予選で得た(アイスの)情報プラス、決勝戦だからこその新しいアイスの情報で、次の大会に臨んでいる気持ち」と、大会終盤の心境を振り返ったが、ラウンドロビンで出たミスを伏線にし、敗北すら吉兆へ昇華させるチーム力の高さを示した。"負けられる強さ"を得て、またチームはひとつ階段を上ったことになる。

 今大会の結果によって、日本は3月にスウェーデンのサンドビーケンで開催される世界選手権の枠を獲得した。1月末に北見市常呂町で開幕する日本選手権の優勝チームが世界選手権に出場することになる。

 もちろんロコ・ソラーレは、女子日本代表のまま世界選手権初優勝を目指すために、まずは日本選手権の連覇を狙う。また、それとは別に、チームにはワールドツアーの上位タイトルであるグランドスラムのチャンピオンズカップ(2023年カナダ・レジャイナ)の招待状が届くはずだ。グランドスラム初制覇も同時に視野に入った格好だ。

 宿願の世界一へ。彼女らの可能性は広がり続けている。

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