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廣瀬俊朗と伊藤華英が感じる生理と部活動の課題。「卓越性がすごく求められ辞めざるをえない意識になっている」 (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

『1252プロジェクト』リーダーを務める伊藤華英氏『1252プロジェクト』リーダーを務める伊藤華英氏この記事に関連する写真を見る

競技人口の減少は部活動の体質が原因!?

――日本では初経の平均年齢が12歳と言われ、中学・高校の女子アスリートは対処が必要な年代となります。2017年のスポーツ庁の調査によると、女子運動部参加率が中学で55%、高校で27%とほぼ半減しています。男性は中学で75%、高校で56%と減少しているものの、減少率では女子が圧倒的に高いという実態があります。この状況についての印象をお聞かせください。

伊藤 女子が高校で半減してしまうのは、体の変化も関係しているかもしれませんね。月経コンディションもあると思いますし、月経の症状を指導者に伝えにくい状況があると思います。またその年代のスポーツでは卓越性がすごく求められるのも大きな理由だと思います。速くならなくちゃいけない、うまくならなくちゃいけない、というイメージがあって、それについていけない人、それに当てはまらない人は辞めざるをえない意識になってしまう。もし私も水泳をやっていなかったら、高校でスポーツはやらなかったかもしれません。

廣瀬 僕は5歳からずっとラグビーをやっていましたが、高校でもそんなに厳しい部活ではなくて、「自分たちで考えてやりなさい」という感じでした。だから、スポーツだけじゃなくて、勉強もやっていました。部活動だけにならないほうが、いいのかなと思いますね。指導者の方も、想いがあるのでしょうが、結果にコミットし過ぎると、選手たちは苦しくなってしまいます。

ラグビー部の現状と女子ラグビー

――さらに部活動の話になりますが、高校でのラグビーの選手人口が、他競技に比べて急激に減少しているというデータがあります。2011年から21年の数値で見ると、ラグビー部がある高校数が17.2%減、人数が24.6%減となっています。少子化もあって、ほとんどのスポーツ部活動が5~10%程度、減少していますが、ラグビーのこの大幅な減少についてはどう見ていますか。

廣瀬 ラグビーは15人制のスポーツなので、練習をしようとしたら理想は30人以上いたほうがいいんです。その人数を集めるのが大変なんですよね。ラグビー部にはなかなか人が集まらないので、勧誘しないといけないんです。その時はいろんな理由をつけて必死に説得します。「おもろいから来てみたら」とか、「野球で試合出るのは部員数が多いから大変やけど、ラグビーだったら活躍できるから、一回来てみてよ」みたいな(笑)。

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