カーリングミックスダブルス世界選手権で日本代表が示した可能性。それを今後、どう生かしていくべきか

  • 竹田聡一郎●文 text by Takeda Soichiro
  • photo by AP/AFLO

 スイス・ジュネーブで行なわれたカーリングのミックスダブルス世界選手権は、スコットランドの全勝優勝で幕を閉じた。

 日本代表の松村千秋(中部電力)と谷田康真(北海道コンサドーレ札幌)は、初戦で北京五輪王者のイタリア、続く2戦目には近年力をつけてきたエストニアと対戦。強豪相手に連敗スタートとなったが、「1試合ごとに課題を修正し、持ち味を出すことができた」(谷田)と、そこから6連勝を飾った。

 見事な巻き返しを図って決勝トーナメント進出も見えたが、予選リーグ最終戦でスウェーデンに敗戦。最終的には6勝3敗という結果で、惜しくもグループリーグ敗退となった。

ミックスダブルス世界選手権で奮闘した日本代表の松村千秋(右)と谷田康真ミックスダブルス世界選手権で奮闘した日本代表の松村千秋(右)と谷田康真この記事に関連する写真を見る それでも、松村が「試合ごとに学び、成長を実感しながら戦うことができました」と自分たちの戦いを総括。初の世界選手権において、悔しさだけでなく、手応えも得た9戦だったのではないか。

 特に光っていたのは、準優勝の地元スイス、4位のノルウェーといった上位国との対戦で見せたエンド構成だ。劣勢の局面も少なくなかったが、苦しい状況のなかでも最善を尽くした。そして、最後まで食らいつく泥臭さも見せて接戦をモノにした。またその一方で、韓国戦やフィンランド戦では大量得点を奪って勝ちきる爆発力も示した。

 勇敢なドローや一投で盤面を動かす速いテイク、さらに効果的なスイープでのストーンの誘導など、高いレベルで実現できていたのは、オールラウンダーである2人が組んだこその強みだったと言えるだろう。

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