上村愛子が日本女子モーグルの強さに迫る。金メダルが期待されるネクストヒロイン川村あんりのすごさも語った (4ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • photo by Ezra Shaw/Getty Images,Yohei Osada/AFLO SPORT

――良きライバルであり、良きチームメイトでもあったと思います。

「私たちは、戦い方とかは全然違うんですけど、『目指すところは世界のトップ。それは一緒だったね』という話もしました。その時、『ふたり(の成績)を足せば、五輪、世界選手権、W杯すべてでメダルが獲れていたね』といった話もしたのですが、堀島選手やあんりちゃんは、ひとりでそれを達成できる選手。『ここまできたか、日本チーム』と思うと、本当に感慨深いです」

――さて、上村さんもコメンテーターを務めていた東京五輪ではスケードボードで10代の選手の活躍が目立ちました。川村選手も17歳ですが、スケードボードの選手たちと同じような"空気感"を川村選手から感じられますか。

「東京五輪でスケードボードの選手たちを見ていて強く感じたのは、自分の競技をすごく楽しんでいるな、ということ。そして目の前の舞台で、自分のパフォーマンスを発揮することだけに集中していた、ということです。

 その姿は、今回の代表選手たちも見ていたと思いますし、『あんなふうに戦いたい』というヒントをもらったはず。私には、あんりちゃんがスケードボードの選手たちと同じような気持ちで滑って、うれしそうに表彰台に上がって笑顔を見せている姿が想像できます」

――川村選手がメダルを獲得するうえで、ライバルとなる存在を教えていただけますか。

「女子は、あんりちゃんとペリーヌ・ラフォン選手(フランス)、ジャカラ・アンソニー選手(オーストラリア)の3人の実力が抜けていて、メダルも3人の争いと見ています。もちろん、3人の出来次第では他の日本代表選手たちにも十分にメダルの可能性はあります。複数の日本人選手が表彰台に上がっても不思議ではありません。

 平昌五輪金メダリストのペリーヌ選手は、ターンの技術が非常に高いです。でも、ジャッジが安心して点を出せる滑りかというと、どうでしょう。あんりちゃんのほうが頭と体がブレずにどんどん下に降りてくる滑りなので、印象がいいと思っています。

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