41歳での銀メダル獲得を世界が称賛。葛西紀明が偉業を達成したスキージャンプの歩み (4ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 さらに今後の競技生活について、「たぶん次の45歳と49歳の時も、自分の体力や技術はもっと向上していると思う。ここまできたら諦めずに、いけるところまでいきたいと思っている」と言いきった。

 16歳の五輪優勝者もいるジャンプ競技。当時41歳の葛西の銀メダル獲得は、まさに驚異。試合を振り返っても、その銀は運で勝ち得たものではなく、実力で手にしたものであるのは確かだ。しかも、「あと半歩で金メダル」と言える惜しい展開だった。

 スキー板を2本そろえて飛ぶクラシカルスタイルの時代からV字ジャンプに変わったあと、スキー板の長さ規制やBMI規定が採用されたうえ、ジャンプスーツのサイズも年々小さくなるなど、ルールは大幅に変更されてきた。その変更をすべて乗り越えて世界のトップとして生き残り続けた葛西自身が、ジャンプ界の歴史の体現者でもあるのだ。

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