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「モンゴル出身力士だから強いわけじゃない」豊昇龍が常に意識していること (4ページ目)

  • 武田葉月●取材・構成 text by Takeda Hazuki

 今回は勝ちましたけど、これからもライバルとして意識する存在です。出稽古に行けるようになったら、真っ先に(若隆景の所属する)荒汐部屋に行きたいですね。

 秋場所、新横綱として土俵に上がっている照ノ富士関には、伊勢ヶ濱部屋の合宿に参加させてもらった時、稽古をつけていただいたんです。横綱がケガで下に落ちている頃だったんですが、大関に復帰し、さらに上の横綱に昇進されるとは、尊敬するばかりです。

 よく「モンゴル出身力士は強いですね」と言われることがありますが、外国出身だから......とか、そういうのってないと思いますよ。

 国籍がどうあれ、同じ人間じゃないですか? モンゴル人が強い、外国出身力士が強いってことじゃなく、本場所の土俵に上がるまでに、どれだけ稽古したか――。稽古を十分にしていたら、ビビったりすることは何もないんです。

 それと気持ちです。気持ちで負ければ、相手に勝てるわけがない。僕が意識しているのは、「気持ちでは、誰にも負けないように」ということです。

 今は体重が140kgくらいになりましたが、幕内力士の中では、まだまだ小さいほうなんで、どうやったら相手に嫌がられる相撲を取るかということを考えていますね。そして、目指すのは「テッペン」です。

 力士になって4年。おかげさまで、応援してくださる方も多くなって、そういう人たちに喜んでもらうために頑張ろうとも思います。だから、負けた時は誰よりも悔しいし、勝った時は誰よりもうれしくなるんでしょうね。

 今場所は、急性扁桃炎で3日間の休場という経験もしました。休んでいる間は「早く出たい!」という気持ちばかり。復帰2戦目でライバルの若隆景と対戦して、一本背負いで勝てた時は本当にうれしかったです。

 どうですか? 僕、見かけよりも、怖くないでしょ?(笑)

(おわり)

豊昇龍智勝(ほうしょうりゅう・ともかつ)
本名:スガラグチャー・ビャンバスレン。1999年5月22日生まれ。モンゴル出身。立浪部屋所属。抜群の身体能力と多彩な技で相撲ファンの期待を集める。第68代横綱・朝青龍は叔父にあたる。好きな食べ物は肉。2021年秋場所(9月場所)の番付は東前頭筆頭

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