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「マンガの世界?」北京五輪金メダル候補の新濱立也、自身も驚く急成長 (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

オンラインでスポルティーバのインタビューに応じる新濱オンラインでスポルティーバのインタビューに応じる新濱 3歳からスケートを始めた新濱だが、つい最近まで「世界大会や五輪を考えていなかった」。北海道の別海町で生まれ育った彼の小学生時代の夢は、漁業を営む父親の跡を継ぐことだった。しかし、スケートを始めるとその面白さに取り憑かれ、高校、大学と競技を続けた。

「本当にスケートが楽しい、面白い。勝つことがうれしくて、自分の世界の中だけでスケートを続けていたので、五輪を見たことはなかったですね。五輪を意識したのは平昌五輪が終わってから。好きなことに没頭していたら、五輪選考会で4位になった。ギリギリで代表になれなかったけれど、その成績を評価されて翌シーズンからナショナルチームに入りました。それで平昌五輪で日本は女子選手は活躍していたのに、男子はダメだったというのが悔しかったといいますか、次の五輪は自分が活躍したいと思うようになって、世界を見るようになった感じです」

 多くの選手はナショナルチームに加入したばかりの時は、練習の質の高さや量の多さに驚き、なかなかついていけないと話すものだ。だが、新濱はそうしたことは一切なかった。

「スプリントチームの練習には余裕を持ってついていけたし、辛いということはなかったです」

 さまざまなデータが計測できる「ワットバイク」のパワー数値で新濱は2400ワット出している。他の短距離選手は1800〜1900ワット。彼と同時期に世界トップに駆け、W杯での1勝を含めて11回表彰台に上がった村上右磨ですら2000ワットだった。

「競輪選手並みだと言われました。ナショナルチームでは体力がすごくついて、いっそう追い込めているというか、短いインターバルで滑ることができている。僕は、もともと瞬発力は強くても持久力は高くなかったんですが、チームに入って1000mももつようになった感じです」

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