本橋麻里がメンバーの前で涙。「真剣に悩んでいる様子を見てたから」 (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro
  • 藤巻 剛●撮影 photo by Fujimaki Goh

――カナダ選手権や世界選手権では、数千人単位の観客が入ります。

「本当に多くの方がカーリングを楽しみにして集まりますよね。そして、会場では選手のサインセッションをはじめ、各種イベントも催されます。さらに、バーやフードコート、ライブスペースまで入った『Patch』(パッチ)と呼ばれる特設会場も併設されるなど、スポーツとエンターテインメントを上手に融合させたすばらしい雰囲気で大会が進みます」

――観戦においてはいかがですか。やはりカナダの観客は目が肥えているのでしょうか。

「世界一だと思います。平昌五輪もそうでしたし、日本国内でもそうなんですけれど、どうしてもきれいなショット、派手なテイクアウトに拍手が集まりがちですよね。もちろん選手としてはそれもうれしいのですが、カナダのアリーナで運営される大会などでは、ハードなスイープに大きな歓声を送ってくれたりします。細かなプレーを称賛してくれると選手はノッてきますよね。スタンドを煽る選手なんかもいて、それも見どころです」

――日本選手権などでは、静かな雰囲気で、会場全体に緊張感があります。

「よく、JD(ジェームス・ダグラス・リンドナショナルコーチ)とも『日本のファンは選手に対してのリスペクトもあるし、礼儀正しいから静かに見てくれているけれど、いいプレーが出た時はもっと騒いでもいいのにね』と話したりしていました。ですから、新横浜でのアリーナ開催では、スタンドをもっと盛り上げたいな、と個人的には考えていたんですけど」

――強化という面では、アリーナ開催にはどのようなメリットがあったのでしょうか。

「世界との戦いがより身近に感じられる、と考えています。世界選手権ではアリーナ開催が常ですが、カナダや欧州の強豪は、日本よりもその経験が圧倒的に多いです。日本の場合、カーリング場で開催される日本選手権で勝ったチームが代表になって、渡航して現地に入ってからでないと、アリーナアイスの感覚を得られない。そこでやっと、世界選手権の準備が始まる感じです。

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