混乱のなか五輪を目指す野中生萌が
スポーツクライミングから学んだこと
「東京五輪出場のチャンスがあるのは奇跡的」と語る野中
スポーツクライミングで日本トップクラスの実力を誇る野中生萌。東京オリンピックの出場権をめぐっては、国際スポーツクライミング連盟と日本山岳・スポーツクライミング協会の解釈の違いで混乱に巻き込まれ、判断がスポーツ仲裁裁判所(CAS)に委ねられるなど、騒がしい日々を送っていた。3月24日の東京オリンピック延期の発表にともない、今後の選考方式や選考基準も現時点では不透明な状況だが、野中が世界で戦える実力を持っていることに関しては、疑いの余地はない。
この混乱のなかにあっても、野中の意識は変わらない。自身がクライミングを始めたときから掲げた目標に向けて、鍛錬の日々を送っている。そんな彼女に今の心境を聞いた。
――東京オリンピックが延期になりましたが、これまで東京オリンピックをどう捉え、どんな想いを持っているのか教えてください。
「オリンピックに出られるかもしれない。そういう機会を自分の人生の中で得られていることが、まず奇跡的だなと思っています。しかも私は東京出身で、オリンピックが東京で開催されるので、特別な想いがあります」
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