「アスリート専用の動画サイト」まである、
知られざる五輪への強化策 (4ページ目)
「例えば、トレーニング方法やリカバリーの方法をパッケージにする。そして、研修を受けた方をJISSが認定、承認する。東京オリンピック・パラリンピックでメダルを獲得するために培った情報、機能を横展開して、国体レベルやインターハイレベル、その先の中学生、小学生にも役立ててもらう。オリンピックのマラソンやサッカーなどのための暑熱対策を学校で利用してもらえば、真夏でも小学生が安全に体育の授業をできる。そのためのパッケージづくりです。
もともと我々のコンセプトとしては、支援と研究は両輪なんです。レスリングをサポートすることによって水分補給という課題が出てきたら、それを研究して解決する。すると、テニスでも同じように水分補給が問題となったので、レスリングでの解決方法を当てはめる。課題が出てきたら、研究しようね。それでわかったことを競技現場へ返しましょう、そして横展開しましょうとやってきました。そこには好循環が生まれ、深まり、広がっていく。それを今後は国民のみなさんに還元していきます。
F1で培った技術が一般車に還元されたり、宇宙開発のための技術が人々の暮らしをよくしたりするのと同じこと。『オリンピック・パラリンピックが終わったのに、なんでまだ予算が必要なのか?』と言われることに対して、国の機関としてはきちんと説明責任を果たさなければなりません。
つまり、『ハイパフォーマンススポーツセンターネットワークの構築』ということで、ハイパフォーマンススポーツセンターが実施するアスリート向けの各種支援をパッケージ化し、国内の地域スポーツ医・科学センター、ナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点、大学等がパッケージを用いて支援するためのプラットフォームを整備。同時に、それらを推進するスポーツ科学・医学・情報分野等の人材育成機能を強化していきます」
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