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選手だけじゃない「敵」も出現。
王者フルームがツール5勝目へ快走中 (3ページ目)

  • 山口和幸●取材・文 text by Yamaguchi Kazuyuki
  • photo by ASO

 しかしチームにとっては、総合優勝を狙ってエースに起用していたリッチー・ポート(オーストラリア)が落車によって鎖骨骨折し、大会をリタイアしたことがかなり痛い。ヴァン・アーヴェルマートはリオ五輪・個人ロードレース種目の金メダリストだが、ワンデーレースには強いものの、本格的な山岳をこなして総合優勝を目指すタイプではない。

 フルームは途中で複数回の落車に見舞われたものの、大きなケガはなく1分42秒遅れの総合8位で序盤戦を折り返した。他のライバルたちも、ポートを除いてなんとか序盤戦をクリアし、首位の見える位置につけている。

 ツール・ド・フランスの前半はいつものように、平坦路でのゴール勝負がメインとなり、総合優勝を争う選手たちはひたすらトラブルのないよう、チームメイトに援護を受けながらゴールする。そして一転して、勝負どころのアルプスでそれまで秘めていたパワーを爆発させる。

 したたかな戦いは、これからの山場で繰り広げられるだろう。アルプス、中央山塊、そしてピレネーと舞台を変え、選ばれし男たちはパリ・シャンゼリゼを目指す――。

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