カーリング再び快進撃。引きつる藤澤五月を山口剛史がイジってほぐす (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text&photo by Takeda Soichiro

「試合中にいきなり(山口が)『サッちゃん』と呼ぶから、何だろうな、ウエイトの確認かなと思ったら『Keep Smiling』って言ってきて(笑)。私、そんなにヤバい表情をしていたのかな、と」(藤澤)

 そんな山口の振る舞いが功を奏してか、アイスにも慣れて初勝利を挙げた3試合目から、藤澤の勢いが止まらなくなる。1投目のカマー(※ガードの後ろに回り込むショット)を高確率で決めて、相手が仕掛けてくるパワープレーもウィック(※ガードストーンに軽く当ててずらすショット)でかわしていく。

「私の1投目は同じショットなので。アイスさえ読めれば(問題ない)」と、さらりと言い放つ余裕も出てきた。その頃には藤澤のショット率も伸びてきて、予選が終わってみれば、参加40カ国中1位の数字を叩き出した。

 この投げの技術こそが、藤澤の、今回の日本代表ペアの最大の武器だ。

 日本代表のジェームス・リンドコーチも、それを認める。記者から「藤澤にプレッシャーがかかっていたのか?」という質問を受けた際には、こう答えている。

「もちろん(彼女には)大きなプレッシャーがあったと思う。でも、(藤澤)五月はオリンピアンだし、多くのタフなラストショットを決めてきた。タフなゲームも制してきた。十分に信頼していたよ」

ミックスダブルス世界選手権で決勝ラウンドに駒を進めた藤澤&山口ペアミックスダブルス世界選手権で決勝ラウンドに駒を進めた藤澤&山口ペア 最終的には2連敗後、5連勝を飾った山口と藤澤ペアは、5勝2敗の2位という結果を残して予選リーグを通過。日本勢として、7年ぶりのクオリファイ(プレーオフ進出)を決めた。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る