2018.03.11

貴乃花親方のピンチを救えるのは、
復活した貴ノ岩の快進撃しかない

  • text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

 稀勢の里は6場所連続、白鵬は2場所連続で休場することになった大相撲春場所。看板の2横綱が不在のまま幕が上がる”大荒れの春”で、正念場を迎える師弟がいる。貴乃花親方と弟子の貴ノ岩だ。

3月1日に取材に応じた貴乃花親方(右)と貴ノ岩(左) 昨年10月、貴ノ岩は巡業先である鳥取市内での酒席で、元横綱・日馬富士から暴行を受けて頭部を負傷し、九州場所、初場所と2場所連続で休場に追い込まれた。通常ならば春場所は幕下に陥落する状況だったが、番付は「西十両12枚目」。休場理由が”横綱による暴行で受けたケガ”だったため、日本相撲協会は給与が支給される関取の座にとどめておく特別な措置を取ったのだ。

 頭部のケガなだけに回復状況が心配されたが、取組編成会議が行なわれた9日の朝、貴乃花親方は宿舎のある京都・宇治市内で貴ノ岩の出場を明言。「本人が出させてくださいということですから、本人の意思を尊重した」と語り、「出場するからには死力を尽くす思いでやるということです」と弟子の思いを代弁した。

 貴ノ岩が本格的に土俵で稽古を開始したのは、2月26日に番付が発表された後だった。それまでは四股、てっぽう、すり足、軽いぶつかり稽古といった感触を確かめる内容だったが、今月の7日から申し合いを開始し、同じ部屋の十両・貴公俊ら相手に6勝2敗。翌日は5番取って4勝1敗、9日は貴景勝らと4番取って負けなしと、番数こそ少ないが日増しに調子を上げてきている。

 3月1日には、師匠とともに事件後初となる取材に応じ、「一生懸命やることだけを考えています」と意欲を語った。2009年の初場所でデビューを飾ってから、2場所連続の全休は今回が初めて。ただでさえ気持ちの準備が難しい状況なうえ、”事件の被害者”としてこれまで以上に注目を浴びることは間違いない。