2018.02.20

小平奈緒、超人的な36秒台と
「人徳」で金メダルよりもキラキラ輝く

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 2月18日に行なわれたスピードスケート女子500m。第4組で滑った1000m金メダルのヨリン・テルモルス(オランダ)が、最初の100mを10秒50で通過した時は、「オッ」と思った。しかし、最終コーナーを回り37秒53というタイムでゴールした瞬間、14組目で滑る小平奈緒(相澤病院)の優勝を確信した。

オリンピックレコードで金メダルを獲得した小平奈緒 テルモルスのあとは、ソチ五輪1000m優勝の張虹(中国)を含めて38~39秒台の滑りが続き、再び37秒53が出たのは第11組アウトスタートのブリタニー・ボウ(アメリカ)。小平のひとつ前の13組で出場した女子世界最初の36秒台スケーターである于静(中国)も37秒81と伸びなかった。

 そんな中でスタートした小平は、「スタートは少し動き気味の時に出されてしまったので、一瞬体が遅れたかなというのがあった。それで(同走の)カロリナ(・エルバノワ/チェコ)が最初に出たところを追いかける形になった」と言う。7日のタイムトライアルと同じような力強い滑り出しを見て、勝利への確信はさらに強まった。

 100m通過タイムの10秒26を確認すると、今度は記録への期待が高まる。37秒05を出した7日のタイムトライアルより、0秒07も速い通過タイムだったからだ。

 カーブの出口から加速して出たバックストレートの滑りは躍動感があり、ここでも小平の調子のよさを感じさせた。W杯でも滑り慣れたインスタートで、半径の大きなアウトレーンを滑る第2カーブも何の心配もない。