夏のメダリストも驚く、複合・渡部暁斗の「五輪でも動じない」メンタル

  • 松田丈志●文 text by Matsuda Takeshi
  • photo by AFLO

 私の子供の頃からの夢はオリンピックの金メダルだった。

 近づくことはできても、遂にその夢は達成できなかった。だからなのか、金メダルを目指す選手の考え方、プロセス、課題へのアプローチなど、その選手の成長の過程に興味がある。

 私は2月3日に2018ノルディック複合ワールドカップ(W杯)白馬大会、個人第13戦に渡部暁斗選手を取材した。

W杯白馬大会で優勝後、記者の質問に答える渡部暁斗W杯白馬大会で優勝後、記者の質問に答える渡部暁斗
 この日、前半のジャンプは風が安定せず、何度も競技が中断し、スタート位置が変わる不安定なコンディションだった。そんな状況での38番目、最後に飛ぶ渡部選手は、本人がいいタイミングで風が吹いてくれたと言うように、130.5mの大ジャンプ。ライバルのヤン・シュミット選手(ノルウェー)に1分以上の差をつけ、後半のクロスカントリーに入る。

 そしてクロスカントリーでも盤石の走りで優勝。最後は地元の声援を背に、悠々とゴールした。これでW杯を4連勝(翌日の第14戦は3位)。W杯年間総合優勝も視野に入れて、平昌五輪でも金メダルを目指す。

 レース後、渡部選手と話すことができた。好調の秘密はどこにあるのか......。

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る